魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

 なにせボクとブルーノは、今からカーマイン公爵領にいる、ミルドレッドの様子を見に行くからだ。いつもぶっきらぼうな口調をしているボクだが、いざとなると、ミルドレッドの姿を見る自信がない。だから長いこと、ミルドレッドの様子を見に行くことすらできなかったのだ。
 もしも躊躇ったり、足がすくむようなことがことがあったりしたら、そんな時は今のように、ブルーノが助けとなるだろう。

「えーっと、カーマイン公爵領に行くには、こっちか? おい! どっちだ?」

 前言撤回。何を弱気になっているんだ、ボクは。こんな右も左も分からない奴に頼ろうとするなんて……。

「バカげている」
「なんだと! あまり王都から出たことがないんだから仕方がないだろう」
「そういう意味で言ったんじゃないよ。あと、ブルーノ王子様の恰好は目立ちすぎる。着替えることも含めて、今日は一旦、王城に戻った方がいいだろう。出発はいつでもできるんだから」

 ボクは着の身着のままでも行動できるけど、ブルーノは人間だ。きちんと準備をした方がいいだろう。