魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

 ボクが公爵夫人を苦手とするのは、おそらくミルドレッドを連想させるからだろう。ずっとミルドレッドを救いたい、と思って行動していたから尚更である。
 だからブルーノに対して、意味なく嫌悪し、悪態をついているのだ。ブルーノはただ、乙女ゲームのことも、カーマイン公爵家のことも知らない、というのに。

 けれどその片鱗を見ただけで対応できるのは、さすがは攻略対象者の一人だといえよう。ただのポンコツ王子ではない、ということだ。

「これなら、ミルドレッドを見ても大丈夫かもしれない」

 なんの確信も根拠もなかったが、そう思えた。

「おい。何をごちゃごちゃ言っているんだ。さっさと行くぞ」

 偉そうに。だが、カーマイン公爵邸では、この強引さに助けられたのだ。今は目を瞑っておこう。