魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「それでどうすれば、王命を達成することができるのか、と考えた結果、ミルドレッドに行きついたのさ」
「……つまり、今のミルドレッドを見に行くと? それもブルーノ王子を連れて」
「うん。ボク自身は、落ち着いたら見に行こうとは思っていたんだよ。彼女の運命を変えてしまったのは、他ならぬボクだからね。責任というわけではないけれど、それなりにいつも、心に留めていたんだよ。あの時のボクの選択は間違っていなかったのか。それとも、逆にミルドレッドを不幸にさせてしまったんじゃないのかってね」

 運命を弄んだ魔女だと自分に言い聞かせて来たけど、結局のところ、ボクは小心者なんだよ。

「なるほど。ではブルーノ王子を同伴させるのは、ユニティ殿にとっても予想外の出来事であったと、思ってもよろしいか?」
「うん。その解釈で間違いないよ。不本意でもあったしね」
「おい! それは随分と失礼なんじゃないか!」
「ブルーノ王子様。先ほどのカーマイン公爵の話を聞いていなかったのか? 「このような事態となった元凶と共に現れれば」、と言ったんだよ。元凶が誰のことだか、まさか分からない、とまでは言わないよね」

 ボクは隣で、ずっと大人しくしていたブルーノに視線を向けた。それは応接間に入ってから、いやカーマイン公爵邸に入ってからであったため、思わず存在を忘れて話し込んでしまったのだ。

 まぁ、それがいけなかったのもあるんだけど。こんな話の折り方……さすがはブルーノか。学園の食堂で、いきなりボクに婚約破棄を言い渡しに来たくらいだからね。