「ミルドレッドは……今、領地にいる。乳母の娘として名を変え、貴族であることを知らずに、生きていくことになるだろう」
カーマイン公爵は、静かにそう告げた。まるで、もう娘ではないような物言いだ。けれど見捨てたわけではない。本当にそう思っていたら、わざわざエリアルを探し出したりはしなかったはずだからだ。
大事な娘だからこそ、遠くに追いやったのだ。他人事のように言うのは、その決意を揺るがせたくないための行為。
「夫人も納得しているの?」
「ミルドレッドの幸せを思えば、納得せざるを得ないだろう。それにエリアルの境遇も知ってしまったからか、実の娘のように可愛がっているよ」
「うん。確かにそんな感じだった」
窓越しで、さらに上から見ていたせいもあり、公爵夫人の顔は見えなかったけど、腕の中のエリアルの表情は幸せそうだった。本当の母親に向ける無垢な子ども、そのものに見えたのだ。
カーマイン公爵は、静かにそう告げた。まるで、もう娘ではないような物言いだ。けれど見捨てたわけではない。本当にそう思っていたら、わざわざエリアルを探し出したりはしなかったはずだからだ。
大事な娘だからこそ、遠くに追いやったのだ。他人事のように言うのは、その決意を揺るがせたくないための行為。
「夫人も納得しているの?」
「ミルドレッドの幸せを思えば、納得せざるを得ないだろう。それにエリアルの境遇も知ってしまったからか、実の娘のように可愛がっているよ」
「うん。確かにそんな感じだった」
窓越しで、さらに上から見ていたせいもあり、公爵夫人の顔は見えなかったけど、腕の中のエリアルの表情は幸せそうだった。本当の母親に向ける無垢な子ども、そのものに見えたのだ。



