「殴ってもいいかな」
「ダメに決まっているだろう!」
「お前に聞いていない。ボクは国王に聞いているんだよ」
持っていた箒の穂が、僕の感情を示すように逆立つ。たかだか十八年しか生きていないブルーノ相手に対して大人気ない、とは思ったけど、位の上下を忘れてもらっては困る。
この世界で魔女は聖女の役割をしているけれど、聖女のような清く大らかな心を持ち合わせていないボクらは、国王よりも上の立場。つまり、王子であるブルーノなど、口答えしていい立場ではなかった。
だからボクは国王の許可を待たずに、ブルーノの頭めがけて箒の柄を振り下ろした。
「学園にいた時にも思っていたけど、ブルーノの傲慢な態度は目に余る。まさかとは思うけど、そんな風に教育でもしたの? ボクたち魔女に対する認識も薄いようだし。これがこの国の標準であれば、ボクは他の魔女たちに伝えなければならない」
「そ、それは困る。確かに、魔女の認識が薄れているのは事実だ。カーマイン公爵令嬢は祝福を得たようだが、ブルーノは魔女の祝福を得ていない。かねてよりの婚約であったため、こちらに不利益があってはならないと思い、公表はしていなかったが」
「だからボクへ不敬は、当たり前だとでもいいたいのかい?」
「……悪かった、と思っている。だが、どの魔女に頼んでも、ブルーノの祝福をしてくれなかったのは、ユニティ殿が原因ではないのか?」
「前世の記憶があることは、他の魔女に告げていない。カーマイン公爵夫妻には伝えてあるけど、ミルドレッドはブルーノの後に生まれたんじゃなかったっけ?」
「ダメに決まっているだろう!」
「お前に聞いていない。ボクは国王に聞いているんだよ」
持っていた箒の穂が、僕の感情を示すように逆立つ。たかだか十八年しか生きていないブルーノ相手に対して大人気ない、とは思ったけど、位の上下を忘れてもらっては困る。
この世界で魔女は聖女の役割をしているけれど、聖女のような清く大らかな心を持ち合わせていないボクらは、国王よりも上の立場。つまり、王子であるブルーノなど、口答えしていい立場ではなかった。
だからボクは国王の許可を待たずに、ブルーノの頭めがけて箒の柄を振り下ろした。
「学園にいた時にも思っていたけど、ブルーノの傲慢な態度は目に余る。まさかとは思うけど、そんな風に教育でもしたの? ボクたち魔女に対する認識も薄いようだし。これがこの国の標準であれば、ボクは他の魔女たちに伝えなければならない」
「そ、それは困る。確かに、魔女の認識が薄れているのは事実だ。カーマイン公爵令嬢は祝福を得たようだが、ブルーノは魔女の祝福を得ていない。かねてよりの婚約であったため、こちらに不利益があってはならないと思い、公表はしていなかったが」
「だからボクへ不敬は、当たり前だとでもいいたいのかい?」
「……悪かった、と思っている。だが、どの魔女に頼んでも、ブルーノの祝福をしてくれなかったのは、ユニティ殿が原因ではないのか?」
「前世の記憶があることは、他の魔女に告げていない。カーマイン公爵夫妻には伝えてあるけど、ミルドレッドはブルーノの後に生まれたんじゃなかったっけ?」



