魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「ボクは赤ん坊のミルドレッドを見た時に思い出したのさ」
「何を?」
「前世の記憶だよ。どうやら、生まれ変わる前の魔女、先代とでも言っておこうか。先代魔女は予知魔法が使えたらしくてね。そこで知ったんだよ」

 今は転生者とか、乙女ゲームとかは伏せておく。カーマイン公爵夫妻に話したのと同じように、この世界の魔女の仕組みを利用させてもらった。その方が信憑性が高く、あまり説明しなくても納得してもらえるからだ。

 魔女設定、様々である。普通の人間は魔女に詳しくないお陰で、予知魔法の有無や先代魔女の使用を疑われずに済んでいる。因みにボクは予知魔法なんて使えないから、疑われたら即アウトだ。乙女ゲームの知識範囲内であれば、なんとか言い逃れは出来るけどね。

「なるほど。俺とカーマイン公爵令嬢の婚約は、生まれる前から決められていたからな。魔女がいずれ王太子になる、俺の婚約者に相応しい人間なのか調べた結果、そんな未来が見えたというわけか。ならば、俺の決断に間違いはなかった、ということだ」

 漕ぎつけたような辻褄だったが、あながち間違いではないだろう。しかし、解せない。おそらく、ブルーノが自信満々に講釈をした末、高笑いをしているからだ。

 ボクは箒を出現させて、国王に問いかけた。