魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「ちょっと待て」
「なんだよ。話の腰を折らないでくれる? ここから、カーマイン公爵夫妻に事情を話す大事な場面なんだからさ」

 それともブルーノには、ここまでの話を理解する能力すらなかったのかな。

 思わず国王に視線を向けたが、逸らされてしまった。子が子なら親もか、とげんなりしたところでどうしようもない。ブルーノにはそんなボクの心情など、勿論伝わっていなかったのだから。

 だけどボクは、これでも優しい方の魔女だからね。ブルーノの意見くらい、聞いてあげる器量は持っている。

「それで? 何がちょっと待て、なのさ」
「俺がまるで、悪役のような扱いだからだ」
「事実だろう? 実際、ミルドレッド……といってもボクだったわけだけど、婚約破棄を言い渡しに来たじゃないか」
「うっ、それは……だが、婚約破棄はこの間の話だ。カーマイン公爵令嬢に祝福を与えたのは、十八年前のことだろう? 赤ん坊だと言っていたのだからな」

 ふむふむ。どうやらちょっとは頭が回るようだ。