「気高き魂よ。汝は心のままに、振り返ることなく、真っ直ぐ伸びた道を歩め。月光を浴び、その力強い一歩を踏み出した先に、星を掴むことだろう。汝の未来に祝福あれ」
ボクの手のひらから、銀色の星の形をした光がいくつも現れ、赤ん坊の頭上に舞い上がる。そして星が一つに集まった瞬間、会場に振り注ぐ。
シャンデリアの黄色い光とは違う、魔法の光に、見惚れる来賓客。中には銀色の星を掴もうとする者までいたが、祝福の光を掴める者はただ一人。
誰よりも銀色の星を浴びた、赤ん坊は「キャキャッ」とボクの指を掴んで喜んでいた。
良かった。心からそう思えたはずなのに、先ほどの記憶がボクを苦しめる。
「月と星。なんて素敵な祝福なのかしら。ねぇ、あなた」
「あぁ。そうだな。未来の王妃と国母を意味しているかのようだ。ありがとう、ユニティ殿」
公爵夫妻の感謝の言葉が胸に刺さる。この国での太陽は王を意味し、月は王妃、星は王子、または姫を意味している。けれどボクの記憶が確かなら、この赤ん坊は王妃にも国母にもならない。
「良かったわね、ミルドレッド」
あぁ、やっぱり。この赤ん坊はミルドレッドというのだな。乙女ゲーム『贄姫になっても恋はしたい』の悪役令嬢、ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢、その人だ。
近い未来。この赤ん坊は婚約者である王子に婚約破棄を言い渡され、月を背にこの国を出て行く。星を頼りに、行く当てもなく彷徨うのだ。
せめてその道に、幸あらんことを願うしかなかった。
ボクの手のひらから、銀色の星の形をした光がいくつも現れ、赤ん坊の頭上に舞い上がる。そして星が一つに集まった瞬間、会場に振り注ぐ。
シャンデリアの黄色い光とは違う、魔法の光に、見惚れる来賓客。中には銀色の星を掴もうとする者までいたが、祝福の光を掴める者はただ一人。
誰よりも銀色の星を浴びた、赤ん坊は「キャキャッ」とボクの指を掴んで喜んでいた。
良かった。心からそう思えたはずなのに、先ほどの記憶がボクを苦しめる。
「月と星。なんて素敵な祝福なのかしら。ねぇ、あなた」
「あぁ。そうだな。未来の王妃と国母を意味しているかのようだ。ありがとう、ユニティ殿」
公爵夫妻の感謝の言葉が胸に刺さる。この国での太陽は王を意味し、月は王妃、星は王子、または姫を意味している。けれどボクの記憶が確かなら、この赤ん坊は王妃にも国母にもならない。
「良かったわね、ミルドレッド」
あぁ、やっぱり。この赤ん坊はミルドレッドというのだな。乙女ゲーム『贄姫になっても恋はしたい』の悪役令嬢、ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢、その人だ。
近い未来。この赤ん坊は婚約者である王子に婚約破棄を言い渡され、月を背にこの国を出て行く。星を頼りに、行く当てもなく彷徨うのだ。
せめてその道に、幸あらんことを願うしかなかった。



