魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「大丈夫だ。この娘からとても美しい女性が見えた。凛とした佇まい。何者にも負けない意志を感じる眼差しは、とても力強い。素晴らしい女性になるよ」

 ボクは咄嗟に、赤ん坊から感じ取ったものを口にした。突然入ってきた記憶を無視して。

 そうしなければ、今、正常に祝福を与えることができない、と判断したからだ。ここに来た目的を忘れてはいけない。そう、ボクは今、魔女なのだから。

 安堵しつつ、顔をほころばせる公爵夫人と、今すぐにでも抱きしめたい、と顔に書いてあるカーマイン公爵。たくさんの来賓客が感じているように、ボクもそんな二人を微笑ましい、と思った。

 たくさんの者たちから愛されている、揺り籠の中の赤ん坊に手を翳す。すると、大きな青い瞳をさらに大きくして、ボクの手のひらを見つめている。