魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「本物のカーマイン公爵令嬢を見ていないから、判断のしようもない」

 まぁ、確かに。それはそうなんだけど。

「そうだ。実際に会いに行ってみるのはどうだ?」
「会いにって、ミルドレッド本人に?」
「普通に気になるだろう? 俺はずっと、お前をミルドレッドだと思って相手をしていたんだぞ」

 厳密にいえば、途中からだがな。ミルドレッド本人は赤ん坊の頃に、乙女ゲーム『贄姫になっても恋はしたい』のヒロイン、エリアルと入れ替わり、幼少期から学園に入る前までカーマイン公爵家で過ごしていた。
 だからブルーノとの初対面時は、エリアルであって、ボクではない。面倒だから言わないけど。

「まぁ、ボクも今、ミルドレッドがどうしているのかは知らない。把握しているのは、おそらくカーマイン公爵だけだろうね」
「どこで何をしているのか、気にならないのか?」

 気に、なるけど……ここで素直に返事をするのは危険だ。確実に面倒事に巻き込まれる。