魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「そんなに慌てなくても、ミルドレッドまで怪我したら、公爵夫妻が大変だよ」
「大丈夫です。今はエリアルに掛かりっきりですから」
「……寂しい?」

 一瞬、パティを思い出したのだ。ミルドレッドにとっては、ようやく得た実の親との時間だ。すぐにエリアルが現れて、嫉妬したのではないだろうか。
 すると、ボクの問いに、ミルドレッドは首を横に振った。

「いいえ。実は、両親がエリアルのところに行って、ようやく自由になれた、と思っていたところなんです。とてもいい人たちなのは分かるんですが……干渉が凄かったものですから」
「あぁ……再会が衝撃的だったから、かもね」

 幸せに過ごしていると思ったら、義姉に虐げられていたんだ。もうあんな目には絶対遭わせたくない、という気持ちが前面に出てしまった結果だろう。

「これはボクにも非があるから、謝罪させてほしい。ごめんね」
「いえ、いいんです。お陰で今は、ゆっくりと自分を見つめ直せますから」
「それは……どういうこと?」

 遠くを見つめていたミルドレッドが、ボクと向き合う。