魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「まずはエリアルを安全なところに移す必要があるな」
「えっ、あぁ、そうだね」
「俺が先に下に降りて、誰か読んで来よう。その間にギルバートは、エリアルを抱えて下に降りるんだ。それくらいの衝撃は大丈夫なんだろう、ユニティ」
「……ボクがその間も、回復魔法をかけているからね」

 さっき大きな怪我はしていない、と言っていたから、問題なさそうだとは思っていた。案の定、ユニティからの許可を得ることができた。そうとなれば早速、と動こうとした瞬間、後ろから呼び止められた。

「ブルーノ。できれば公爵を呼んで来てくれ。おそらく王城に来ているはずだ」
「分かった」

 こんな時も、ユニティが頼るのは公爵なのか、と複雑な感情を抱いたが、すぐに振り払った。違う、と。ユニティが公爵を呼ぶように言ったのは、エリアルのためだ。
 それに王城の内部なら、俺が一番動き易い。だからユニティもそう思って、最適な判断を下したのだ。

 俺は邪念を振り払うように、祭壇から飛び降り、扉に向かって走り出した。