魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「ブルーノ王子様はまだ、学園を卒業していない。つまり、まだ未成年だ」
「それがどうした。長い時を生きる魔女には関係ない話だろう」
「魔女にとってはね。でもブルーノ王子様は人間だ。勝手に未成年を引き取る、ということは誘拐と同じこと。ボクはお尋ね者になりたくない」

 ましてや、相手がブルーノだなんて、鳥肌が立つほど嫌だ。ミルドレッドになっていた時、ブルーノの婚約者ではあったが、最初から情などない。

「つまり……どういうことだ? 何が言いたい」
「……親御さんの許可が必要だと言っているんだよ。この場合、国王になるね」
「ち、父上の許可だと!?」
「そうだ。ちょうどいいじゃないか。ブルーノ王子様はそのまま王城に残り、ボクはカーマイン公爵に挨拶して帰れる」

 うん。カーマイン公爵には迷惑をかけてしまったからね。会いに行かなければ、と思っていたところだったんだ。ブルーノを送る方々、様子を見に行こう。
 本物のミルドレッドの様子も気になるしね。

 目の前で、「嫌だ。なんで父上の許可が? 折角、撒いて来たのに」とおかしなことを言っているブルーノを無視して、このまま転移魔法陣を展開した。

 こういう時、ブルーノの頭の軽さは助かる。抵抗されることもなく、ボクはブルーノと共に城門に降り立った。