「あの、さっき来ているって聞いて」
「公爵夫妻に用事があって来たんだ。無事に王都の屋敷に戻れてよかったな」
「はい。それで……その、あの時のお礼がしたくて、受け取ってもらえないでしょうか」
ミルドレッドはそう言って、恥ずかしそうにブルーノへ向かって、ある物を差し出した。
「ハンカチです。あれからまた刺繡をすることができたので、見ていただきたく」
まるで告白の現場を見ているような感じがして落ち着かない。なぜだろう。エリアルとギルバートの時のようなトキメキが湧きあがらないのだ。それどころか、胸の奥が少しだけ、モヤっとなった。
お陰でブルーノの反応を、ミルドレッドと同じ気持ちで見つめてしまう。
下げられていた手が上がり、差し出されたハンカチへと伸びた。かと思ったが、ブルーノはその手をゆっくりと引っ込めた。その瞬間、視線を感じて顔を上げると、なぜかブルーノと目が合った。
「すまないが、これは受け取れない」
「えっ……」
「君を助けたのは、俺だけじゃないからだ。ここにいるユニティもだ。俺だけが貰うわけにはいかないだろう?」
「あっ、すみません。私ったら、ちゃんとメイドの話を聞かずに……ユニティさん、今すぐ取って来るので、待っていてもらってもいいですか?」
「公爵夫妻に用事があって来たんだ。無事に王都の屋敷に戻れてよかったな」
「はい。それで……その、あの時のお礼がしたくて、受け取ってもらえないでしょうか」
ミルドレッドはそう言って、恥ずかしそうにブルーノへ向かって、ある物を差し出した。
「ハンカチです。あれからまた刺繡をすることができたので、見ていただきたく」
まるで告白の現場を見ているような感じがして落ち着かない。なぜだろう。エリアルとギルバートの時のようなトキメキが湧きあがらないのだ。それどころか、胸の奥が少しだけ、モヤっとなった。
お陰でブルーノの反応を、ミルドレッドと同じ気持ちで見つめてしまう。
下げられていた手が上がり、差し出されたハンカチへと伸びた。かと思ったが、ブルーノはその手をゆっくりと引っ込めた。その瞬間、視線を感じて顔を上げると、なぜかブルーノと目が合った。
「すまないが、これは受け取れない」
「えっ……」
「君を助けたのは、俺だけじゃないからだ。ここにいるユニティもだ。俺だけが貰うわけにはいかないだろう?」
「あっ、すみません。私ったら、ちゃんとメイドの話を聞かずに……ユニティさん、今すぐ取って来るので、待っていてもらってもいいですか?」



