魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「だが、公爵家の騎士団の名前を使うのだ。他の団員たちへの示しがつかん。しばらく、ウチの騎士団で腕を磨いてから行きなさい。騎士になりたい、というのであれば――……」
「いいんですか!?」
「ギルバート! お父様の言葉を遮っちゃダメよ」
「ご、ごめん」
「お父様に限らず、身分が上の人の言葉を遮るのは、失礼に値するんだから」

 エリアルの言うことも最もだ。公爵の好意で騎士団の訓練に加わるというのであれば、ルールやマナーは覚えておいて損はない。

 けれど意外にもこのやり取りに、公爵が満足した顔を向けていた。おそらくギルバートが、エリアルの尻に敷かれている姿が良かったらしい。

 ともあれ、ギルバートの騎士団所属という身分は得られた。それも肩書だけではなく、訓練も共にできるおまけ付きである。騎士志望のギルバートにとっては、一度諦めた夢が仮とはいえ、実現した形になったのだ。この上ない成果だろう。

「そうだ。ユニティちゃん、ミルドレッドもこの邸宅に戻って来たのよ。折角だから会って行ってくれないかしら。ミルドレッドにとっては、初めての王都で、緊張しているみたいなの」
「生まれは王都だけど、さすがに覚えていない年齢か」
「そうなのよ。だから……」

 公爵夫人の頼みだし、ボクは構わないが、エリアルはどうだろうか。すると、エリアルの方から顔を近づけてきた。