魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「そのギルバート殿については、どうするんだ?」
「公爵様に、一緒に頼んでみようと思っているの。幸い、ギルバートは騎士を目指していたから、そこを見込んでもらうかなって」
「騎士……確か公爵家は独自に騎士団を有していたな」
「そっ、だから身分だけでも、お借りできたらいいんだけど……」

 王城に入るためには、身分証明が必要なのだ。いくらブルーノのお供でも、身分が平民では、門をくぐるのは難しい。ゲームみたいに、勇者だとか聖女とかならいざ知らず、ただの平民では無理なのだ。

「そこは……公爵夫人にアプローチするんだね。あの人は、そういう話が好きだから。公爵も夫人のお願いなら断れないはずだ」
「だね! 公爵様は奥様に弱い方だから」
「それじゃまず、ミルドレッドの帰還祝いの品物を用意しに行こうか」
「うん!」

 エリアルの気持ちのいい返事を聞くと、ボクたちは立ち上がった。早速、商店街や市場に繰り出し、目ぼしいものを探す。
 ブルーノとギルバートには公爵への土産を。ボクとエリアルはミルドレッドと公爵夫人への土産をそれぞれ用意し、翌日、そっと伺う旨の手紙を出した。

 すると、返事はその日の内にやって来た。ボクの予想通り、すでにミルドレッドも公爵邸にいるのだそうだ。公爵夫人がエリアルに会いたがっている、ということも書かれていたため、これで心配事もないだろう。

「ううん、あるよ! 服! このままでいいのかな」
「ボクたちも、このまま行くしかないんだから、大丈夫だよ。それに向こうだって、エリアルとギルバートの立場も分かっているわけだし」
「そ、そっか」

 といったトラブルもありつつ、ボクたちは返事をもらった次の日に、カーマイン公爵邸を訪ねに行った。エリアルにとっては、久しぶりの里帰りでもある。