魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「そんなことって簡単にいうけど、国王に怒られる案件だよ。いいの?」
「すでに父上にはお𠮟りを受けているんだ。今更」
「えっ、ルーノ殿って……」
「あぁ、すまない。混乱しているところに、俺のことまで。実は王子なんだ。だけどまぁ、気にするな」

 そんなことを言われても、すぐに「分かりました」とはならないだろう。案の定、ギルバートが頭を抱えている。すぐにエリアルが傍に寄り添っているから、たぶん大丈夫だとは思うけど。

「今、ギルバート殿が気にするのは、エリアルのことだ。早く贄から解き放ってほしい、と思わないのか?」

 けれどブルーノがギルバートに追い打ちをかける。ようやく空気の読める男になったというのに、こういう点は変わらないようだった。
 だけどそこは脳筋のギルバート。小難しい今までのやり取りよりも、目の前の現実を見る方が楽なことを察したのだろう。急に顔つきが変わった。