魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「カシル!?」
「あ、あのね。昨日のお礼と、あと……」

 心の準備はどうした!? できたからノックしようとしたんじゃないの?

 カシルは戸惑ったようにボクの方を見ていたから、顎をしゃくって「行け!」と促した。

「その……大事な話があってきたの! だから――……」
「大事な話!? ちょっと待って」
「待てないよ。今でなきゃダメなんだから!」
「それは……分かっているんだけど、家の中、今、汚いから」

 汚い? 昨日は普通にボクたちを招いてくれたじゃないか。カシルもカシルなら、ギルバートもギルバートだな。

「おいおい、カシルの勇気を無下にする気か? 昨日の勢いはどうした?」

 ボクが宣言通り、ギルバートを箒で叩いてやろうとかと思っていたところに、ブルーノが現れた。
 しかもなんか、意味深なことを言っている。これはボクがいない間、男同士で話でもしたのかな。