魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「正確なことは知らないが、家族というか、親戚みたいなものだと、俺は思っている。カシルの幼い頃からの知り合いみたいだからな」
「そ、それほどの……だから助けに行った俺よりも、ユニティ殿を選んだ、ということなんですね」
「どうだろうな。この街に来た時、カシルの家を訪ねたが、俺たちを見たのにもかかわらず、去って行ったんだ。立場としてはギルバート殿と変わらないと思うぞ」
「そうは思えません。ユニティ殿の態度を見ると、カシルとは家族や親戚以上の関係に見えたし……」

 不安なんだな。カシルの異変にいち早く気づいたのが自分なのに、横からかっさられた嫉妬心。相談してくれないもどかしさ。
 でも一番嫌なのは……。

「ならどうして行動に移さなかった? 俺が言わなければ、カシルは林で、あの男たちに酷い目に遭わされていたんだぞ」
「っ!」
「分かっている。踏み込み過ぎれば、嫌われるんじゃないかって思っているんだろう? 俺も……今更どんな顔してアピールしたらいいのか、分からなくて、動けないんだ」
「ルーノ殿……」
「すまない。今のは忘れてくれ」

 何を俺は口走っているんだ。目の前に好きな人がいるのに、何もできずにいるギルバートを見て、今の自分の状況と照らし合わせてしまった。