魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

 林でゴロツキを倒した後、ユニティに別行動を提案されたが、意外と嫌な気分にはならなかった。ヴァルクの時は宿屋だったからか、置いていかれると焦ったのに不思議である。

 おそらくユニティが、俺を邪魔に感じなくなったからだろう。それはそれで嬉しいが、所詮そこまで、と思うとやるせない。エリアルの件が片付いたら、そのまま王城に返す気でいるに違いないからだ。俺はまだ、共に過ごしたい、と思っていてもだ。

 すぐそこには王城がある。どちらかというと、焦燥感はそっちの方だった。

「……ーノ殿。ルーノ殿!」
「あっ」
「ようやく気づいてくれましたか」

 俺は今、ユニティがエリアル、いやカシルと「できれば二人だけで話したい」ということで、ギルバートの家に再び世話になっていた。それがどれくらいの時間なのかは、お互いに分からないからか、自警団にゴロツキの身柄を預けた後、他愛ない会話で帰路についた、というわけである。