魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「少なくとも、ユニティのお陰で変わったよ。ギルバートは騎士にならずに、この街に残った。私の人生も、家族から虐げられることなく、自分のやりたいことをやって生きている」

 そう言いながら笑って見せるカシルに、ボクの心は救われるようだった。さすがは乙女ゲームのヒロイン。

「だからね。少しでもハッピーエンドの確率を上げるために、ゲームの力を借りたいの」
「うん。カシルの気持ちは分かった」
「でも、怖いんだ」
「カシル?」
「私はそう思っていても、ギルバートが受け入れてくれるかは、別問題でしょう?」

 そうか。だから逃げ回っていたんだね。自分の根元にあるものを受け入れてもらえないのは、怖いことだよ。苦しいことだよ。臆病にだってなるさ。

 ボクはカシルを抱きしめた。