魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「カシルの!? ちょうどいいところに来てくれました。誰かに話を聞いてもらいたくて仕方がなかったんです」
「それはこちらとしても好都合でいいんだけど……」
「手を離せ。痛がっているのが見えないのか?」

 ブルーノがギルバートの腕を掴み、注意してくれた。悪気はなかったのだろう。ギルバートも、ようやくそのことに気づいたらしく、手を離した後は、ペコペコと必要以上に謝っていた。

 まったく、この脳筋のどこがいいんだか。あぁそうか。だからギルバート・オーダムに関する記憶が乏しいんだ。だけど……ボクの推しは誰だったっけ。ボクに関する記憶は薄いんだよね。
 まぁ今はそんなこと、どうでもいいや。乙女ゲームの知識があれば、それだけで。