魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「でもまぁいいさ。どの道、ミルドレッドのことをエリアルに伝えに行く予定だったから。子守が君の望みだとは思えないけど、もうしばらくつき合ってあげるよ」
「ほ、本当か!?」
「ブルーノが言ったんだろう。「俺の望みも聞くべきだ」と」
「じゃ、まだ一緒にいられるってことでいいんだな」
「そう言っているじゃないか」

 すると今度は、ガッツポーズをとるほど喜んでいる。急に落ち込んだり、喜んだり……せわしないな。何がそんなに嬉しいのやら。
 子どもって本当に何を考えているのか分からない。だからこそ、見ていて飽きない、といってもいい。

「しばらくの間、よろしく頼むね」
「おう!」

 その気持ちいい返事を聞いたからだろうか。この子守も悪くないと思ってしまった。だけど魔女と人間の時間は同じではない。

 ちょうど行き先も王都だし。エリアルの件が終えたら、強制的に城に送り返そう。それがブルーノにとっても、押しつけた国王にとってもいいだろう。

 ボクはそんなことを思いながら一夜を過ごし、翌朝、カーマイン公爵夫妻に別れを告げて、領主館を後にした。