魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

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 ミルドレッドが領主館に運ばれた時、ボクとブルーノは最初、宿屋に泊まる予定だった。もうボクたちができることなどなかったからだ。できることは、ミルドレッドの回復を日々見守るくらいだろうか。
 公爵夫妻から懇願され、長いこと世話になっていた。

 だけど、もうそろそろいいだろう。

「これで子守は終わりかな」
「なっ! 父上からの謹慎処分は解かれていないのにか!?」

 あくまでブルーノは、子守とは言いたくないらしい。まったく、謹慎処分という言葉の意味を分かっているんだろうか。城から出ている段階で、何が謹慎処分だ。

「国王はしばらく行動を共にすること、と言った後、カーマイン公爵令嬢について知りたがっているようだから、とボクに押しつけてきたんだよ。ミルドレッドの様子を見るだけでなく、本来あるべき場所に帰る、貴重な場面に立ち会えたんだ。何がそんなに不満なんだい?」
「それは……」
「まだ、気になることでもあるとか?」

 するとブルーノは、何も言わなくなってしまった。ボクとしては、このまま城に戻り、貴族令嬢として新たな人生をスタートさせるミルドレッドのフォローをしてもらいたかったのだが……これでは到底無理そうだな。

 とはいえ、ブルーノが思い残すことなど、ボクが分かるはずもない。いや、一つだけあった。