魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「これは……どういう状況だ?」

 カーマイン公爵の視線が、ミルドレッドからボクに移る。本当はミルドレッドに駆け寄り、今すぐにでもベッドに寝かして安心したいはずだ。
 けれど誰がこの状況を作り、ミルドレッドが倒れているのか。親として、領主として、見定める必要があった。ボクはさきほどのやり取りをカーマイン公爵に説明した。

 パティがミルドレッドを生き埋めにし、放置していたこと。それを事故だと言い張っていたことも含めて。

「ミルドレッドの置かれていた立場は、ダーラから聞いたとは思うけど、あまりいい労働状況ではないんだ。体も、相当弱っていたと思う。そんなミルドレッドに……こんな仕打ちをするなんて」
「っ! お、お言葉ですが、納期が迫られていたり、注文が殺到したりする場合は、このように徹夜になってしまうことが多いのです」
「……本来なら発言を許すつもりはないが、いいだろう」

 公爵の言葉にパティはホッとした顔をした。
 だけど分かっているんだろうか。すでにパティの立場は相当悪い、ということに。それでも言い訳をしたいなんて、いい根性をしているよ。