魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「珍しいですね。魔女様が訪ねに来てくださるとは」
「そう、嫌味を言わないでくれ。カーマイン公爵から聞いているんだろう?」
「えぇ、勿論。だから嫌味を言いたくなったのです。このようなことをするのならば、始めから我々に言ってくださればよかったものを。ブルーノ王子もこんなことにはならなかったのですよ」
「実は……ブルーノ王子様も含め、かの少女がどうなったのか、知りたくてやって来たんだ」

 すると宰相は、口にするのが面倒だと思ったのか、書類をテーブルの上に置いた。

 まぁ、態度からして歓迎されていないのは分かっていたけど。

 チラッと宰相の方を見た後、ボクは書類を手に取った。

 どうやらブルーノの身分はそのまま、ということになったらしい。婚約者ではない女性との交際や、学園で婚約者を蔑ろにしていたが、そもそもその婚約者の正体が婚約者ではなかったのだ。

 そこについては、カーマイン公爵が弁明してくれたらしい。事前にボクから乙女ゲームの詳細を聞いて、実の娘であるミルドレッドを避難させていたのだから、当然だろう。こちらがブルーノ及び王族を騙していたのだ。

 共に非があったわけだから、ブルーノの処分もあってないようなもの。ただ王族としての自覚が足らない、という国王からのお達しで、謹慎処分を食らったらしい。