魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「逃げ出そうとしたから、逆に連れて来たんだが……これはどういう状況だ?」
「生き埋めにされていたんだよ。上に乗っていたのが布ロールでも、下手をすれば死ぬことだってある」
「っ! まさか、それを放置して……」

 さすがのブルーノも、酷いと思ったのだろう。息を吞む音と共に、もう一人の焦る息遣いが耳に入って来た。

「私じゃない。棚の近くにいた、あの子が悪いのよ」

 ここで少しでも謝罪の言葉をあったのなら、ボクも考え方を変えたと思う。本当にたぶんの話だけど。

「つまり、棚から布ロールが落ちてきた場面に立ち会っていた、ということになるよね。ボクが調べてもいいけど、パティの口から聞きたいな」

 視線をパティに向けた途端、強張った顔になった。口がわなわなと動き、返答が期待できないから、ボクは言葉を続けた。

「ダーラは居住。旦那さんは経営を任されている、と聞いたよ。工房の責任者は君だよね、パティ。さらにいうと、ミルドレッドを怒っている姿も見たんだ。違うとは言わせないよ」
「……そ、そうだけど。これは事故よ。事故だったの」
「だったらどうしてすぐに助けなかったんだ。責任者として、工房で働く者の安全は守るべきだろう!」

 ブルーノがボクの代わりに、パティへ怒りをぶつける。