「……ミルドレッドにした理由はなんだ?」
「今はそんな話をしている場合じゃないよ。ほら、早く!」
「それは分かっているが、答えるくらいなら、移動している時でもできるだろう?」
部屋を出ようとするボクの背中に向かって、ブルーノが尋ねてくる。確かにブルーノからしたら、不可解なのだろう。でも仕方がない。ボクは魔女だ。気まぐれな魔女。
「……色男に頼まれたら、断れなかったんだよ」
さらに仕事ができるスパダリときたもんだ。断れる魔女を探した方が早い。そんなこっぱずかしい理由を言ったのにも関わらず、ブルーノからの返答はなし。
催促しておいて、なんなんだ、と後ろを振り向くと、口元に手で隠したブルーノが立っていた。
「まさかライバルが公爵だとは思わなかった」
「何をアホなことを言っているんだよ。今は急いでいるっていうのに。置いていくよ!」
本当に何を言っているんだろう。ミルドレッドが危機に瀕しているかもしれない、というのに。「待て!」という声が聞こえてきたが、ボクは無視して宿の外まで駆けていった。
「今はそんな話をしている場合じゃないよ。ほら、早く!」
「それは分かっているが、答えるくらいなら、移動している時でもできるだろう?」
部屋を出ようとするボクの背中に向かって、ブルーノが尋ねてくる。確かにブルーノからしたら、不可解なのだろう。でも仕方がない。ボクは魔女だ。気まぐれな魔女。
「……色男に頼まれたら、断れなかったんだよ」
さらに仕事ができるスパダリときたもんだ。断れる魔女を探した方が早い。そんなこっぱずかしい理由を言ったのにも関わらず、ブルーノからの返答はなし。
催促しておいて、なんなんだ、と後ろを振り向くと、口元に手で隠したブルーノが立っていた。
「まさかライバルが公爵だとは思わなかった」
「何をアホなことを言っているんだよ。今は急いでいるっていうのに。置いていくよ!」
本当に何を言っているんだろう。ミルドレッドが危機に瀕しているかもしれない、というのに。「待て!」という声が聞こえてきたが、ボクは無視して宿の外まで駆けていった。



