魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「ますます遠慮をする必要がなくなったね」
「……その、意気込んでいるところ悪いんだが」
「何?」

 ここは空気を読んで、そっとしておいてほしかったんだけど。

「本当に同じ部屋で休む気か?」
「当たり前だろう? お金はなるべく節約しないと」
「だが、一応、俺も男なわけで」

 顔を赤らめるブルーノには悪いが、十八歳の男など、百歳を超えたボクにとっては子どもに等しい。だから男、といわれても、なのである。

「ボクが気になるなら、犬か猫に変身しようか? その方が気が紛れるだろう」
「そういう意味で言っているんじゃない!」
「じゃ、どういう意味だよ」

 するとブルーノは、何か言いたそうな顔をしていたが、諦めたらしい。「知らん!」といって、部屋から出て行ってしまった。
 一人取り残されたボクは、再び窓の外へと視線を向ける。今頃、パティはどうしているだろうか。ダーラがいないことに、気づいたかな?