「武力行使していなくても、その後の過程は似たようなものだっただろう?」
「……それは自業自得でしょう? 何も調べないし、根回しもしない。そんな状態で簡単に婚約破棄ができたら、誰も苦労しないよ。わざわざボクが、ミルドレッドになる必要もなかったわけだしね」
まずそこを考えてほしいよ。
「だが、お陰で別視点から、本来の婚約者であったミルドレッドを見ることができた」
「そういえば、ブルーノを連れて来た目的でもあったね。どうだった? 君から見た、ミルドレッドは」
「俺とよく似ていた。自分は優秀だと過信して、周りを頼ったり、使ったりするどころか、使われている。俺と違うのは、その状況を受け入れてしまっているところだろうな」
「……だから、優しくできなかったのかい?」
驚くブルーノに、ボクはそのまま言葉を続けた。
「ミルドレッドとの会話を、盗み聞きしてしまったことは謝る。ただ、どうして優しい言葉ではなく、厳しい言葉をかけたのか、疑問だったんだよ」
「自分に似た存在に、優しい言葉なんてかけられるわけがないだろう。こうすればいいのに、あぁすればいいのに、とか。余計なことばかり頭に浮かんでくるんだから」
「まさに人の振り見て我が振り直せ、だね」
「なんだそれは」
「遠い国の言葉だよ。他人の善悪を見て、自分の言動を反省して、悪いところを直せ、という教え。同族嫌悪、ともいう」
そうか。王子と悪役令嬢は似た者同士だったから、二人は相容れることなく、婚約破棄という結末に至るのか。
どうやらボクの選択は間違っていなかったらしい。ブルーノもそうだが、ミルドレッドも不器用な生き方しかできないようだからだ。
「……それは自業自得でしょう? 何も調べないし、根回しもしない。そんな状態で簡単に婚約破棄ができたら、誰も苦労しないよ。わざわざボクが、ミルドレッドになる必要もなかったわけだしね」
まずそこを考えてほしいよ。
「だが、お陰で別視点から、本来の婚約者であったミルドレッドを見ることができた」
「そういえば、ブルーノを連れて来た目的でもあったね。どうだった? 君から見た、ミルドレッドは」
「俺とよく似ていた。自分は優秀だと過信して、周りを頼ったり、使ったりするどころか、使われている。俺と違うのは、その状況を受け入れてしまっているところだろうな」
「……だから、優しくできなかったのかい?」
驚くブルーノに、ボクはそのまま言葉を続けた。
「ミルドレッドとの会話を、盗み聞きしてしまったことは謝る。ただ、どうして優しい言葉ではなく、厳しい言葉をかけたのか、疑問だったんだよ」
「自分に似た存在に、優しい言葉なんてかけられるわけがないだろう。こうすればいいのに、あぁすればいいのに、とか。余計なことばかり頭に浮かんでくるんだから」
「まさに人の振り見て我が振り直せ、だね」
「なんだそれは」
「遠い国の言葉だよ。他人の善悪を見て、自分の言動を反省して、悪いところを直せ、という教え。同族嫌悪、ともいう」
そうか。王子と悪役令嬢は似た者同士だったから、二人は相容れることなく、婚約破棄という結末に至るのか。
どうやらボクの選択は間違っていなかったらしい。ブルーノもそうだが、ミルドレッドも不器用な生き方しかできないようだからだ。



