魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「おい、大丈夫か?」

 頭上から聞こえてくる声に、少しだけ目を開けると、凄い近距離にブルーノの顔があった。

「っ!」
「あっ、目が覚めたようですね。良かったです」

 さらにマイナの顔も大きく見えて、ボクは戸惑った。

 これは……どういう状況? いや、思い出せ。直前の記憶を。確かボクはブルーノとマイナの様子を窓越しに見ていて、それから……そうだ。頭をぶつけたんだった。鳥の姿で……鳥の姿!?

「ピピっ」

 咄嗟にピョンと起き上がり、羽を広げて見せる。ブルーノはともかくとして、マイナの前では鳥、ということにしておかないとマズいのだ。ボクが魔女だということを知られるわけにはいかない。
 だけどこういう時、困った奴がこの場にいることを、ボクは失念していた。そう、空気を読めない、いや壊す男がいる、ということに。