「どうしたらいいのかなぁ……」
私は、部屋の机の上に突っ伏した。
この部屋は、叔母が貸してくれているものなので、必要最低限のものしか置いていない。叔母の名前は良子と言って、明斗くんと同様に名が体を表しているような人。
芯理学園に入学するにあたって、どうしても両親のところにはいたくないと思った私を、温かく迎え入れてくれたんだ。今では、良子さんが私の保護者になってくれている。
けれど、自分の問題は自分で解決するしかない。
行き詰まった私は、いつもの癖で、机の上の写真立てに向けて呟いた。
「……どうしよう…………いづくん」
いづくん―――谷本伊鶴くん。私の幼馴染だ。
小学生の頃は沢山話した。すごく楽しかった。大好きな友達だった。
だけど、私は、小学校の同級生の大半が通う市立の中学校ではなくて、この芯理学園に入学した。住む場所も変わった。だから私は、いづくんと離れて……会えなくなった。
「あのね、私ね、すごく大変なことに参加しかけてるの」
いづくんの温かい笑顔の写真を見ると、どんなときでも、どこかほっとする。だから、今でもこうやって、話しかけてしまうんだ。
「いづくんなら、こういうときに、どうするのかな……?」
いづくんは、優しくて芯のある人だった。困ったときには、いづくんに相談していた。
だっていづくんは、誰に対しても誠実で、素敵な人だったから。
私も、そんなふうになりたいと思って、―――。
「……あ」
いづくんみたいに、温かくて誠実な人になりたい、なら。
これが、第一歩だ…………。



