ゆずメンバタン

春瀬光輝。後にすべてを狂わせる、恐ろしい人物だ。
今からちょうど、三百二十年前。
ある村があった。


見上げるほどの迫力の、仁王立ちしている、城⋯⋯。

八月中旬の、日差しの強く、ある感染病がはやっているときだった。


「大変だ‼ 朱子さまが、謎の病に⋯⋯‼‼」


ある一人の男が肩を揺らしながら、村に叫んだ。

朱子というのは、この城の当主であり、この村をつくった張本人。


村人にとっては、彷徨っている中、助けてくれた、命の恩人であった――。


その朱子が、あのおそろしい伝染病におかされるなんて。

しかもこの病気になり、完全に復活できたのは、一握りであった。


村が絶つ、一歩前。

ある男が、村を訪ねた。


その男は、関河輝之と名乗り、朱子のもとに立った。あれほどいた役人たちが、一度に気を失ったのだ。


朱子は、もう終わりだと思った。そして、何を求めているのか、その男に訪ねた。