ゆずメンバタン

「恋の悩みがあるからだろ⁉」

「違うけど」

ズバッとポーズを決めた都と即答した私に少しの沈黙が流れる。


「じ、じゃあ、いつもそのノートを使う時、杏奈の大嫌いな大雨が降り出してイライラしてるからとか⁉」

「うん今日はとってもいい天気だねえ」

太陽が眩しいよ、と窓越しに空を見て目を細める私。


「じゃあ⋯⋯」


すっかり名探偵気分の都を見て、私は心底呆れ顔。


恋だのなんだの言う前に勉強しなさいよ。今日はそれであつまったんでしょう。

⋯⋯って、私も人のこといえないじゃん。勉強しなくては。来週の期末テスト終わって、夏休みパーだし。夏祭りも海もこれでも楽しみにしているのよ。中学二年生ピッチピチの夏ですから。

そのとき、都が何かに気づいたようにあっ、と声を上げた。

そしてためらってます、とでも言うように気まずそうな表情をする。

まさか都、昔のあのハナシでも言い出すのでは⋯⋯。


私が止めようとした時、都が口を開いた。


「イケメンな先輩となんかいい感じになって、ワッハーウフフ(?)て感じだったのにその先輩にはもうキラキラの美少女彼女がいて、告白する前に失恋したときヤケクソで買ったノートだとか」


⋯⋯は? ワッハーウフフてなんだよ。


⋯⋯うん。無駄な心配だった。この人⋯⋯いろんな意味ですごいわ。