あれから数日経ったある日。
私はいつものように圭と廊下を歩いていた。
「なーんでクラスも違うのに毎日俺らは一緒にいるわけ?」
「それは私の方が聞きたいよ」
気付いたらいつも一緒にいるんだよね。
もう隣にいるのが当たり前になってきちゃってるのかな。
「あ、そーだめぐちゃん、前俺がめぐちゃんに買ってあげた水代返してー」
「あれは圭が私の頭にサーブを当てた慰謝料でしょ?返さないよ」
「いやいや、あれはめぐちゃんが下がってたら俺のサーブは決まってたからね?なんなら雅くんセンター寄りだったからサービスエース狙えたんだけど?」
「うぐっ」
い、言い返せる言葉が見つかりません……。
それは私も思ってたから何も言い返せない。
「わ、わかったわよ。ちゃんと返すから」
むすっと拗ね気味に言ってしまったと思ったけど、圭だからまあいっかと思った。
「嘘うそ。あの水は俺からの慰謝料ですから。ちゃんと受け取ってくださいな」
やっぱり、そー言うと思ったけど。
「じゃあありがたく受け取りますー」
「どうぞどうぞ」
ほんとに、こんなことを話すために一緒に廊下を歩いてるかと思ったら馬鹿馬鹿しくなってきちゃったよ。
いつものように一階から上に上がっていきちょうどコートが見える踊り場で足を止めた。
「最近のコートちょっとガタガタじゃない?」
「あーそれ俺も思った。トンボサボってる証拠だな」
「ここからだとよく見えちゃうよね」
「そうだな。実際コートにいるとそんなにわからないけど」
ちょうど近くにある小窓を開けてただ数分の間だけコートをただただ見つめる。
これも毎日の日課だったり。
「さ、そろそろ戻ろう」
「そうだね、圭のクラス次移動教室じゃなかった?」
「あーそういえば、忘れてた」
なんで私は圭のクラスの時間割まで知っているのだろうかと自問自答しながら小窓を閉める。
「あれ、そこにいるのは四門と東雲じゃないか」
この声は……。
「多木先生!お久しぶりです」
「久しぶり」
多木先生。私たちソフトテニス部の顧問の先生。
最近はずっと会っていなかったんだよね。
多木先生の奥さんが妊娠していてそろそろ出産と聞いていたから多分お子さんが無事に生まれて戻ってきたんだと思う。
「そういえば3年生はそろそろ最後の大会が近づいてるな」
最後の大会……そういえばそうだよね。もう私たちは3年生で勉強をしないといけない時期にも入ってくるわけだし。
「まあ俺はクラブチームの方でもテニス続けますけど」
「そうか、四門は?」
「私も多分続けると思います!」
テニスは私にとってとても大切なものだから。
「そうか、そうか。じゃあ最後ではないが部活動としては最後だからな。ぜひ優勝してほしい。ダブルスも出るのか?」
そういえば私はシングルのことしか考えてなかったかも。
圭はどうするんだろう?
私以外部活でペアを組んで練習してるところは見たことないけど……。
「俺はシングルだけっす。ダブルスはめぐちゃん以外とやるつもりはないので」
圭……。
そう言ってくれた時、心がじんわりと温かいものに包まれていくような感じがしてとても嬉しかった。
「私も圭以外とはペアを組むつもりはありません」
「そうか。じゃあシングル頑張れよ」
「「はいっ」」
「じゃあなー」と手を振りながら階段を降りていった多木先生。
残された私たちの間にはなんとも微妙な空気が漂っていた。
「なんか、照れくさいね」
「それ俺も思った」
「まあお互いの気持ちが知れてよかったね」
「確かに?」
いつもと違うちょっとぎこちない会話。
でも、たまにはこういう気持ちがちゃんと知れる機会があってもいいのかな。
「じゃあ今度の大会、頑張ろうな」
「うん!部活としては最後の大会だからね!」
スッと圭が右手で拳を作って私の前に突き出した。
私もすぐにグーの手を作って差し出された手を押し返す勢いでグータッチを交わした。
私はいつものように圭と廊下を歩いていた。
「なーんでクラスも違うのに毎日俺らは一緒にいるわけ?」
「それは私の方が聞きたいよ」
気付いたらいつも一緒にいるんだよね。
もう隣にいるのが当たり前になってきちゃってるのかな。
「あ、そーだめぐちゃん、前俺がめぐちゃんに買ってあげた水代返してー」
「あれは圭が私の頭にサーブを当てた慰謝料でしょ?返さないよ」
「いやいや、あれはめぐちゃんが下がってたら俺のサーブは決まってたからね?なんなら雅くんセンター寄りだったからサービスエース狙えたんだけど?」
「うぐっ」
い、言い返せる言葉が見つかりません……。
それは私も思ってたから何も言い返せない。
「わ、わかったわよ。ちゃんと返すから」
むすっと拗ね気味に言ってしまったと思ったけど、圭だからまあいっかと思った。
「嘘うそ。あの水は俺からの慰謝料ですから。ちゃんと受け取ってくださいな」
やっぱり、そー言うと思ったけど。
「じゃあありがたく受け取りますー」
「どうぞどうぞ」
ほんとに、こんなことを話すために一緒に廊下を歩いてるかと思ったら馬鹿馬鹿しくなってきちゃったよ。
いつものように一階から上に上がっていきちょうどコートが見える踊り場で足を止めた。
「最近のコートちょっとガタガタじゃない?」
「あーそれ俺も思った。トンボサボってる証拠だな」
「ここからだとよく見えちゃうよね」
「そうだな。実際コートにいるとそんなにわからないけど」
ちょうど近くにある小窓を開けてただ数分の間だけコートをただただ見つめる。
これも毎日の日課だったり。
「さ、そろそろ戻ろう」
「そうだね、圭のクラス次移動教室じゃなかった?」
「あーそういえば、忘れてた」
なんで私は圭のクラスの時間割まで知っているのだろうかと自問自答しながら小窓を閉める。
「あれ、そこにいるのは四門と東雲じゃないか」
この声は……。
「多木先生!お久しぶりです」
「久しぶり」
多木先生。私たちソフトテニス部の顧問の先生。
最近はずっと会っていなかったんだよね。
多木先生の奥さんが妊娠していてそろそろ出産と聞いていたから多分お子さんが無事に生まれて戻ってきたんだと思う。
「そういえば3年生はそろそろ最後の大会が近づいてるな」
最後の大会……そういえばそうだよね。もう私たちは3年生で勉強をしないといけない時期にも入ってくるわけだし。
「まあ俺はクラブチームの方でもテニス続けますけど」
「そうか、四門は?」
「私も多分続けると思います!」
テニスは私にとってとても大切なものだから。
「そうか、そうか。じゃあ最後ではないが部活動としては最後だからな。ぜひ優勝してほしい。ダブルスも出るのか?」
そういえば私はシングルのことしか考えてなかったかも。
圭はどうするんだろう?
私以外部活でペアを組んで練習してるところは見たことないけど……。
「俺はシングルだけっす。ダブルスはめぐちゃん以外とやるつもりはないので」
圭……。
そう言ってくれた時、心がじんわりと温かいものに包まれていくような感じがしてとても嬉しかった。
「私も圭以外とはペアを組むつもりはありません」
「そうか。じゃあシングル頑張れよ」
「「はいっ」」
「じゃあなー」と手を振りながら階段を降りていった多木先生。
残された私たちの間にはなんとも微妙な空気が漂っていた。
「なんか、照れくさいね」
「それ俺も思った」
「まあお互いの気持ちが知れてよかったね」
「確かに?」
いつもと違うちょっとぎこちない会話。
でも、たまにはこういう気持ちがちゃんと知れる機会があってもいいのかな。
「じゃあ今度の大会、頑張ろうな」
「うん!部活としては最後の大会だからね!」
スッと圭が右手で拳を作って私の前に突き出した。
私もすぐにグーの手を作って差し出された手を押し返す勢いでグータッチを交わした。



