恋色ノート



「え、え、それは、ちなみにどういう名前の……」


「んーー。花恋の反応が面白いから教えない」


「なにそれー!ばか!僚くんのバカ!」



 怒ったふりをしてみる。心臓がどうにかなっちゃいそうなくらいうるさかった。


 なんで?同じ学校?喋れる気しないよ?


 明日ここに来るまで誰かわかんないなんてなんの嫌がらせなの…?


 でも、知ったところで誰かなんてきっとわからないし一緒といえば一緒だけど……。


 せめて、同じクラスでないことを祈るばかりだ。



「まあでもあれじゃん。そっから仲良くなれば友達もできるじゃん?」


「んー、そうだけどさぁー」


「てことで、また明日!」



 僚くんは言いたいことだけ言ってさっさと帰って行ってしまった。


 僚くんはいいかもしれないけどさぁ……!?



「私の気持ちも考えてよー!!」



 こんな風に、僚くんに思うみたいに学校でも出せたら、苦労はしないんだけど。


 一人思って、わたしもすぐ上の部屋に戻った。





 ──今日も、あのノートに書くことはひとつもなかった。