恋色ノート



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『ママ、これなぁに?』


『これはね、魔法のノート』


『魔法? かれん、魔法使いになれるの?』


『そうよ。花恋(かれん)に今後、好きな人ができて、きゅんってしたらこのノートに書いていくの。そうしたら、花恋の人生が恋の色で鮮やかに彩られるの』



 わたしにくれたのは、表紙も中身もまっさらで、何色にも染まっていない一冊のノートだった。


 ママもパパと出会ってから、何冊にもなるくらいのときめきをノートに書いていったんだって。パパがお空に旅立ってしまってからは、パパに伝えたい日常を日記のように書いていた。


 可愛くてやさしい大好きなママは、まるでパパを追いかけたかのように、パパが事故でいなくなって二年後、病気で亡くなってしまった。


 それから五年、高校一年生になったわたしの手元にあるこのノートは、今もまだ、まっさらなまま。