旭は柱に頭をぶつけた。そして余りの痛さに頭を抱えてうずくまる。慌てた藍は、旭に近寄りしゃがみ込み、心配そうに覗いて言った。
「ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「突き飛ばさなくてもいいだろう」
「何だか力が入ってつい」
藍の無邪気な顔を見ると笑いしか出てこない。いつも無邪気で周りを明るくする君に全てを捧げようと誓ったことを思い出した。
暗黒の夜に光を放つ月のような藍。何もない旭の心に一筋の道を照らしていた。
歩くことのなかった一筋の道は、君へと向かう運命の岐路であると旭は感じた。
旭と藍はいつしか同じ時間を共に過ごしている。それは編集者と小説家である関係だったが、旭は一緒にいるだけで幸せに浸っていた。
純粋な子供の頃から変わらない想い。そんな藍の存在がここにいる喜びを感じだ。このまま時間が止まり永遠に一緒にいたいと考えるばかりだ。
「先生、デスクの上だけでは、書ききれないんじゃないですか?」
「別に、ここにある物語は鮮明に覚えている」
こめかみのあたりを押さえて旭が言った。
「頭の中では出来ているんですか?」
「うん」
「でも…」
「何か言いたそうだけど」
「書いている姿が苦しそうで、煮詰まっているのかと思って」
「苦しいよ。今まで感じたことがない程ね」
「やっぱり」
「だって頑張って書いてるんだから苦しくない訳ない」
「じゃ、もっと楽に書けるようにしましょう」
「どうするの?」
「それは取材旅行です」
「取材旅行?」
「ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「突き飛ばさなくてもいいだろう」
「何だか力が入ってつい」
藍の無邪気な顔を見ると笑いしか出てこない。いつも無邪気で周りを明るくする君に全てを捧げようと誓ったことを思い出した。
暗黒の夜に光を放つ月のような藍。何もない旭の心に一筋の道を照らしていた。
歩くことのなかった一筋の道は、君へと向かう運命の岐路であると旭は感じた。
旭と藍はいつしか同じ時間を共に過ごしている。それは編集者と小説家である関係だったが、旭は一緒にいるだけで幸せに浸っていた。
純粋な子供の頃から変わらない想い。そんな藍の存在がここにいる喜びを感じだ。このまま時間が止まり永遠に一緒にいたいと考えるばかりだ。
「先生、デスクの上だけでは、書ききれないんじゃないですか?」
「別に、ここにある物語は鮮明に覚えている」
こめかみのあたりを押さえて旭が言った。
「頭の中では出来ているんですか?」
「うん」
「でも…」
「何か言いたそうだけど」
「書いている姿が苦しそうで、煮詰まっているのかと思って」
「苦しいよ。今まで感じたことがない程ね」
「やっぱり」
「だって頑張って書いてるんだから苦しくない訳ない」
「じゃ、もっと楽に書けるようにしましょう」
「どうするの?」
「それは取材旅行です」
「取材旅行?」


