勘違いだらけの契約婚

「……わたくしは不快に思ったことは一度もございません。ユージーン様は人一倍、優しく接してくださいます」
「そんな風に言ってくれるのは君だけだ。邸に出入りする人間は、いずれも魔力耐性がある人間ばかりだ。とはいえ、君ほどの力はない」
「…………」
「何度も言うが、君の瞳は本当に素晴らしい。ガーネットのように紅く染まった色、それは魔力耐性がもっとも高い証しだ。君のような女性をずっと探していた。社交界に集う令嬢の中に紅の瞳を持つ者はいなかった。外出も許されずに邸に隠されて育っている娘がいると耳にして、いてもたってもいられなかった」

 花嫁探しに難儀していたところ、偶然、ミリアリアの噂を耳にしたらしい。
 跡継ぎ問題が深刻化だった彼にしてみれば、渡りに船だったのだろう。

「それで、わたくしのもとへ……?」