(ま、まさか……。先ほどのはからかわれただけ……!?)
恨めしげに見上げれば、ユージーンは苦笑した。
「妻の願いはできる限り聞き届けたいと思っているが、ミリアリアの顔はどんな顔でも見ていたいんだ。……許してくれるだろうか?」
「そんな風に言われると、こ、断れないではありませんか。ですが、他の人には吹聴しないでくださいね。変な噂が立つのは困ります」
「わかった。口外はしない」
「約束ですよ?」
念押しすると、もちろんだとも、と言葉が返ってくる。
ユージーンは渇いた喉を潤すように紅茶で口を湿らしてから、表情を引き締めた。
「ひとつ報告がある。近々、隣国との境界へ調査を行くことになった」
「……調査ですか?」
「ああ。国境外で地震が頻発しているらしい。どれも小規模なものだが、念のため、邪龍の封印を確認することになった。結界内なら大丈夫だろうから、君は心配せず待っていてほしい」
話題転換の合図のようにティーカップが置かれ、ミリアリアは渋面になった。
「お待ちくださいませ。ユージーン様は守護結界の外に行かれるのですよね……? とても危険な任務なのではありませんか?」
「俺たちは部下数人で行く。少人数なら、結界を張りながらでも調査は可能だ」
「それでも……心配です。無事に帰ってきてくださいね?」
「ミリアリアのもとに戻る。必ずだ」
力強い返答にゆっくりと頷く。
けれど、心の中に芽生えた不安の種はなかなか消えなかった。
恨めしげに見上げれば、ユージーンは苦笑した。
「妻の願いはできる限り聞き届けたいと思っているが、ミリアリアの顔はどんな顔でも見ていたいんだ。……許してくれるだろうか?」
「そんな風に言われると、こ、断れないではありませんか。ですが、他の人には吹聴しないでくださいね。変な噂が立つのは困ります」
「わかった。口外はしない」
「約束ですよ?」
念押しすると、もちろんだとも、と言葉が返ってくる。
ユージーンは渇いた喉を潤すように紅茶で口を湿らしてから、表情を引き締めた。
「ひとつ報告がある。近々、隣国との境界へ調査を行くことになった」
「……調査ですか?」
「ああ。国境外で地震が頻発しているらしい。どれも小規模なものだが、念のため、邪龍の封印を確認することになった。結界内なら大丈夫だろうから、君は心配せず待っていてほしい」
話題転換の合図のようにティーカップが置かれ、ミリアリアは渋面になった。
「お待ちくださいませ。ユージーン様は守護結界の外に行かれるのですよね……? とても危険な任務なのではありませんか?」
「俺たちは部下数人で行く。少人数なら、結界を張りながらでも調査は可能だ」
「それでも……心配です。無事に帰ってきてくださいね?」
「ミリアリアのもとに戻る。必ずだ」
力強い返答にゆっくりと頷く。
けれど、心の中に芽生えた不安の種はなかなか消えなかった。



