ほんのわずかに動きかけた手を引っ込める。
それに気づいたように、ユージーンが小ぶりのトングでタルトレットをひとつ取り、手元にあった小皿の上に静かに載せた。そして、それをミリアリアの前へと差し出す。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
ミリアリアは、おそるおそる小ぶりの銀のフォークを手に取る。
淡いピンク色の果肉が透けるように輝き、上から艶やかなジュレがかかっている。小さなタルトの縁には、絞り出された生クリームがふんわりと波を描いていた。
ぱくりと口に運ぶと、ひんやりとした果実の甘みが広がった。サクサクとしたタルト生地の中にはバニラカスタードが詰まっていて、優しい味わいに自然と目を細めてしまう。
「その表情を見れば、本当に幸せなのだと伝わってくるな」
「……はっ、すみません。ちょっと一人の世界に旅立ってしまっていました」
「なぜ謝る? 美味しいものを食べたら、思った感情を素直に出していい。俺は君が楽しそうに食事をするのを見るのが好きなんだ」
ユージーンはそう言いながら、両肘をついて組んだ手の上に顎を乗せる。
だが、目の前から注がれる眼差しは、どことなく甘さを含んだものだった。まるで、丹精込めて育てた花がやっと咲いたのを愛でるような──。
それに気づいたように、ユージーンが小ぶりのトングでタルトレットをひとつ取り、手元にあった小皿の上に静かに載せた。そして、それをミリアリアの前へと差し出す。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
ミリアリアは、おそるおそる小ぶりの銀のフォークを手に取る。
淡いピンク色の果肉が透けるように輝き、上から艶やかなジュレがかかっている。小さなタルトの縁には、絞り出された生クリームがふんわりと波を描いていた。
ぱくりと口に運ぶと、ひんやりとした果実の甘みが広がった。サクサクとしたタルト生地の中にはバニラカスタードが詰まっていて、優しい味わいに自然と目を細めてしまう。
「その表情を見れば、本当に幸せなのだと伝わってくるな」
「……はっ、すみません。ちょっと一人の世界に旅立ってしまっていました」
「なぜ謝る? 美味しいものを食べたら、思った感情を素直に出していい。俺は君が楽しそうに食事をするのを見るのが好きなんだ」
ユージーンはそう言いながら、両肘をついて組んだ手の上に顎を乗せる。
だが、目の前から注がれる眼差しは、どことなく甘さを含んだものだった。まるで、丹精込めて育てた花がやっと咲いたのを愛でるような──。



