勘違いだらけの契約婚

「閣下、誠に申し訳ありません」
「いきなりどうした?」
「たった今、気がつきました。わたくしの太ももは肉付きが悪くて、柔らかさはほとんど感じられないと思います。やはり、ちゃんとした枕を二つか三つ、取って参ります」
「だめだ。ここにいろ」
「で、でも……」
「俺は十分、満足している。少しの間だけでいい。このままでいさせてくれ」
「……閣下がそうお望みでしたら……」

 しゅんと肩を落とすと、ぼそりと低い声がつぶやくように言った。

「俺は今、少々凹んでいる。妻として慰めてくれないか」