陽光が傾き始めた中庭には、昼の喧騒が嘘のような静けさが漂っていた。薄紅色のアネモネを通り過ぎた微風が、開け放たれた窓から入り込み、優しくカーテンを揺らす。
午後の訓練を終えたミリアリアは、自室に戻り、応接間の窓辺で魔法書と向き合っていた。ユージーンの執務中に、少しでも予習と復習を進めるためだ。
中庭から魔法書に視線を戻したところで、扉のノック音が聞こえてきた。
静かに入室してきた執事に、ユージーンの指示で追加の魔法入門書を届けてくれた礼を述べると、モノクルの奥の瞳が不思議そうにこちらを見つめていた。
「いかがされましたか、奥様。何か気がかりなことでもありましたか?」
「……執事さんには隠し事はできないですね。実は魔力制御がうまくできなくて、閣下の足を引っ張ってばかりなのです。守護結界の構築も一人ではすぐに脆く崩れてしまい、閣下に手伝ってもらわねば維持ができない有様でして。一体、どうすれば早く習得できるのでしょう。一刻も早く、閣下のお役に立ちたいのに」
午後の訓練を終えたミリアリアは、自室に戻り、応接間の窓辺で魔法書と向き合っていた。ユージーンの執務中に、少しでも予習と復習を進めるためだ。
中庭から魔法書に視線を戻したところで、扉のノック音が聞こえてきた。
静かに入室してきた執事に、ユージーンの指示で追加の魔法入門書を届けてくれた礼を述べると、モノクルの奥の瞳が不思議そうにこちらを見つめていた。
「いかがされましたか、奥様。何か気がかりなことでもありましたか?」
「……執事さんには隠し事はできないですね。実は魔力制御がうまくできなくて、閣下の足を引っ張ってばかりなのです。守護結界の構築も一人ではすぐに脆く崩れてしまい、閣下に手伝ってもらわねば維持ができない有様でして。一体、どうすれば早く習得できるのでしょう。一刻も早く、閣下のお役に立ちたいのに」



