勘違いだらけの契約婚

 触れた指先から電流が走っているように、体中が熱い。このままでは、ゆでだこになるのではと気が逸る。だがその心配は杞憂だったようで、すぐに合わさった手が離れる。

「……ミリアリア。体調は大丈夫か?」
「あ、はい。問題ありません」
「本当か? 吐き気や目眩がしているのに隠しているなんてことは?」
「体はすこぶる元気です。魔力はその……まだ自分ではうまく操作できませんけど」
「そうか。魔力操作に関しては、毎日やっていたら、そのうち感覚をつかめる。あまり心配するな。それよりも、少しでも不調をきたしたらすぐに言ってくれ。魔力切れは命に関わるからな」
「命に……」

 言葉を繰り返すミリアリアに、ユージーンは真面目な顔で大きく頷く。
 その日から、二人だけの特訓の時間が日課に加わった。