勘違いだらけの契約婚

「結界構築には、術式の核を作るところからだな。……そのためには魔力を自在に操れるようにならなくてはならない。まずは指先や手のひらに魔力を集中し、魔力の流し方を練習するのがいいだろう。次に魔力の留め方の練習だ。小さな球体を形成し、指の間で崩さずに保てるようになるのが目標だ。最終的に、何をどうやって守りたいかを思い浮かべながら展開していく。強く守りたい相手を思い描くほうが、結界が安定し、強度は増す」
「練習には段階が必要なのですね……。どうやって守るかのイメージが、わたくしには難しいです。閣下は何を思い浮かべているのですか?」

 守護結界を実際に張れる彼の意見は重要だ。
 何か参考になるかもしれない。期待に胸を躍らせ、返事を待つ。

「俺の場合は緑のカーテンだな」
「カーテン……ですか?」
「ああ、窓を開けていたら風でカーテンが揺れるだろう? 見た目は布のように柔らかいが、外からの侵入は誰であろうと防ぐ強い盾を意識している」
「……なるほど。風の大精霊様の力を借りるのであれば、風で守るイメージを明確にしたほうがよいということですね」