俺は小さい頃から南月家の次期当主として育てられて来た。
小学校に入る前までは同年代の子と話す機会もあまりなかった。
隠さなきゃいけなかった。
なぜなら陰陽師は危険で恐ろしいと思われてしまうから。
化け物は化け物しか祓えない
古代から「陰陽師は『普通』じゃない」と言われ続けてきた。
だから『普通』の子として過ごせる小学校に入って俺の人生は変わった。
色んな人と話して遊ぶのはとても新鮮で楽しかった。
小学校では特に仲の良い4人がいた。
小1の時から毎日遊んでいて世間ではこれを「幼なじみ」と言うのだろう。
その中の次期当主の春輝や筆頭護衛家の悠梨と碧衣は元々顔を知っていた。
けど麗だけは違った。陰陽師とは全く関係を持たない『普通』の純粋な女の子。
麗はクラスでは大人しくて目立たないような性格だったけど必ず裏では他の人のために動いていた。
そんな彼女をもっと知りたいと思って公園で勇気を出して話しかけたのが始まりだった。
遊ぼうと誘った時に見せた純粋無垢で向日葵のような笑顔を今でも覚えている。
麗と遊ぶようになって俺の世界はどんどん広がっていった。
新しいことを麗はたくさん教えてくれた。
麗は俺が元気がない時は誰よりも先に気づいて「どうしたの?」と話しかけてくれた。
けれど麗は中学受験の勉強で遊べることも少なくなっていった。
麗がいない日常で俺はやっと気がついた。
俺は麗のことが好きだったんだと。
でも気づいた時、この恋は絶対に叶わないと思った。
麗は普通の女の子だ。陰陽師である俺はすでに行く中学は決まっていて麗が受験に受かっても落ちても絶対に同じ学校に通うこともないしそもそも俺には婚約者がいた。
ああ…なんでこんなに世界は残酷なんだろう。
俺は南月家に生まれて色んなことを我慢して生きて来たのに
俺も『普通』だったら良かったのに。
受験で出来た距離は縮まることもなく日は流れあっという間に卒業式になった。
麗は見事受験に受かり都内の名門の私立に入ることになったらしい。
卒業式が終わったあと昔によく遊んでいた公園で久しぶりに5人で集まった。
麗は俺たちに泣きながら向日葵の笑みを浮かべて「また遊ぼうね!約束だよ!」と言って、俺たち4人はまた遊ぼうと答えた。
けど、きっと俺たちは分かっていたんだ。
きっとこの子とまた遊ぶ未来なんてないと。
なぜなら俺たちは陰陽師だから。
『普通』じゃないから。
これで最後なんだ…。
約束を守れなくてごめんな、麗。
中学に入って麗がいなくなった日々は予想以上に辛かった。
まるで世界に色が無くなったみたいになって俺は周りのことに興味が無くなっていった。
約束を守れないことへの罪悪感とこれであの子の笑顔を壊してしまうのではないかという恐怖に追われながら毎日が過ぎていった。
少し自意識過剰すぎるかもしれないが幼なじみというのはそれくらいかけがえのない存在なんだ。
中学生になって陰陽師としての任務が毎日のように入るようになったおかげで少しはましにはなったが麗のことを忘れることは出来なかった。
中3になって陰陽師界では北神家の当主の孫娘が見つかったと騒ぎになった。
北神家と南月家は組を作ることが仕来りだが次期当主が見つからず俺は西園家の楓と婚約することになっていた。北神家の次期当主が見つかったのなら俺の婚約者も変わるのかもしれない。
所詮どうでもいい。
誰でもいい。
たかが名目上の妻。
俺の恋は絶対報われない。
確か麗の苗字も北神だったな…
北神でも麗じゃないと俺にとってはまったく意味がない。北神家の次期当主が麗だったらいいのに。
そして俺は北神家の孫娘を連れてこいという任務が出された。
そして家のドアから出て来たのは麗だった。
麗を見た時、こんなことがあるはずがないと思った。
でも俺が麗を見間違えるはずがない。
嬉しさのあまり泣きそうになったが頑張って無表情を貫いた。
でも麗は俺のことを覚えていなかった。
ある日の金曜日、麗に訓練のことを話に言った。
麗は話の最後、昔と同じ笑顔を向けてくれた。
ああ良かった。この子は幸せなんだ。
それがとても嬉くていつものポーカーフェイスは簡単崩れてしまった。
けど会話の中で何回も言われる南月という呼び名。
南月君か…。麗、お前は俺のことを約束を忘れてしまったのか?
もう一度、青葉君って呼んでくれよ…
小学校に入る前までは同年代の子と話す機会もあまりなかった。
隠さなきゃいけなかった。
なぜなら陰陽師は危険で恐ろしいと思われてしまうから。
化け物は化け物しか祓えない
古代から「陰陽師は『普通』じゃない」と言われ続けてきた。
だから『普通』の子として過ごせる小学校に入って俺の人生は変わった。
色んな人と話して遊ぶのはとても新鮮で楽しかった。
小学校では特に仲の良い4人がいた。
小1の時から毎日遊んでいて世間ではこれを「幼なじみ」と言うのだろう。
その中の次期当主の春輝や筆頭護衛家の悠梨と碧衣は元々顔を知っていた。
けど麗だけは違った。陰陽師とは全く関係を持たない『普通』の純粋な女の子。
麗はクラスでは大人しくて目立たないような性格だったけど必ず裏では他の人のために動いていた。
そんな彼女をもっと知りたいと思って公園で勇気を出して話しかけたのが始まりだった。
遊ぼうと誘った時に見せた純粋無垢で向日葵のような笑顔を今でも覚えている。
麗と遊ぶようになって俺の世界はどんどん広がっていった。
新しいことを麗はたくさん教えてくれた。
麗は俺が元気がない時は誰よりも先に気づいて「どうしたの?」と話しかけてくれた。
けれど麗は中学受験の勉強で遊べることも少なくなっていった。
麗がいない日常で俺はやっと気がついた。
俺は麗のことが好きだったんだと。
でも気づいた時、この恋は絶対に叶わないと思った。
麗は普通の女の子だ。陰陽師である俺はすでに行く中学は決まっていて麗が受験に受かっても落ちても絶対に同じ学校に通うこともないしそもそも俺には婚約者がいた。
ああ…なんでこんなに世界は残酷なんだろう。
俺は南月家に生まれて色んなことを我慢して生きて来たのに
俺も『普通』だったら良かったのに。
受験で出来た距離は縮まることもなく日は流れあっという間に卒業式になった。
麗は見事受験に受かり都内の名門の私立に入ることになったらしい。
卒業式が終わったあと昔によく遊んでいた公園で久しぶりに5人で集まった。
麗は俺たちに泣きながら向日葵の笑みを浮かべて「また遊ぼうね!約束だよ!」と言って、俺たち4人はまた遊ぼうと答えた。
けど、きっと俺たちは分かっていたんだ。
きっとこの子とまた遊ぶ未来なんてないと。
なぜなら俺たちは陰陽師だから。
『普通』じゃないから。
これで最後なんだ…。
約束を守れなくてごめんな、麗。
中学に入って麗がいなくなった日々は予想以上に辛かった。
まるで世界に色が無くなったみたいになって俺は周りのことに興味が無くなっていった。
約束を守れないことへの罪悪感とこれであの子の笑顔を壊してしまうのではないかという恐怖に追われながら毎日が過ぎていった。
少し自意識過剰すぎるかもしれないが幼なじみというのはそれくらいかけがえのない存在なんだ。
中学生になって陰陽師としての任務が毎日のように入るようになったおかげで少しはましにはなったが麗のことを忘れることは出来なかった。
中3になって陰陽師界では北神家の当主の孫娘が見つかったと騒ぎになった。
北神家と南月家は組を作ることが仕来りだが次期当主が見つからず俺は西園家の楓と婚約することになっていた。北神家の次期当主が見つかったのなら俺の婚約者も変わるのかもしれない。
所詮どうでもいい。
誰でもいい。
たかが名目上の妻。
俺の恋は絶対報われない。
確か麗の苗字も北神だったな…
北神でも麗じゃないと俺にとってはまったく意味がない。北神家の次期当主が麗だったらいいのに。
そして俺は北神家の孫娘を連れてこいという任務が出された。
そして家のドアから出て来たのは麗だった。
麗を見た時、こんなことがあるはずがないと思った。
でも俺が麗を見間違えるはずがない。
嬉しさのあまり泣きそうになったが頑張って無表情を貫いた。
でも麗は俺のことを覚えていなかった。
ある日の金曜日、麗に訓練のことを話に言った。
麗は話の最後、昔と同じ笑顔を向けてくれた。
ああ良かった。この子は幸せなんだ。
それがとても嬉くていつものポーカーフェイスは簡単崩れてしまった。
けど会話の中で何回も言われる南月という呼び名。
南月君か…。麗、お前は俺のことを約束を忘れてしまったのか?
もう一度、青葉君って呼んでくれよ…



