全力コンパス〜四神の恋は予測不能?!〜 ある日突然イケメン幼なじみの婚約者になっちゃいました!

今日は待ちに待った方演祭!!
私と南月君と碧衣ちゃんはは赤組で悠梨君と春輝君と楓ちゃんは白組!負けないんだからね!

いつもはメガネをかけた真面目そうな生徒会長(男)が「今日ははしゃぎまくるぞおおお!!!」と開会式で言っていて思わず笑ってしまった。その後の応援合戦も無事に終わりすぐに玉入れの召集がに呼ばれた。
球技は得意じゃないけど頑張るぞ!!
結果、カゴに私が入れられたのは2つだけだったけど見事赤組の勝利!誰かと協力するのってやっぱりすごい楽しいな。
その後は応援席で碧衣ちゃんと赤組を応援!やっぱりこの体育祭特有の盛り上がりって良いよね!
そして着々とプログラムは進み二人三脚の番に!
招集場に行くと南月君を見つけ駆け寄った。
「二人三脚頑張ろうね!!!」
「ああ」素っ気ない返しだけどちゃんと反応してくれたことがうれしい。
そんなことを呑気に考えてたんだけど…
ここで問題発生。
…なんといっても距離が近い!!!近すぎる!男女で二人三脚って普通に考えたらおかしいよね?なんで気づかなかったんだろう…
焦っている私とは正反対に南月君は無表情。
「いち、にの掛け声で進むから」
「…う、うん」
なんでそんな平常心を保てるの?私のこと女子だと思ってないのかな?
前の組が走り出した後南月君は肩を組んできて動揺しながらも私も南月君の肩に手を回した。
うぅ…女子からの視線が痛い…
しょうがないじゃん!!ごめんなさいね!私が南月君の隣に居て!
すこしやけくそになりながらも準備を済ませ走り出した。
やっぱりすごい近いよ…
周りからの視線もさっきより鋭いし…
好きな人がこんな至近距離にいるってヤバいよ!
色んな意味でドキドキしながらゴールまで辿り着いた。
二人三脚の後は若干放心状態だったけど無事に応援席に戻ることができて一安心。
…近かったなー。
ホワホワそんなことを思っている私の横で「次、借り物競走だよ!!!」と碧衣ちゃんが興奮気味に言ってくる。
「うちの学校の借り物競走ってリレーと同じくらい盛り上がるんだよ!」
「そうなの?」
「もうそれはそれは。うちの学校、借り物競走のお題変わってるからね〜。王道ネタの恋愛系ももちろんだけど嫌いな人とか殺したい人なんかもお題に入ってるんだよねー」
ひえ…殺したい人?発想が凄すぎる…どんな思考回路でそんなお題を入れようと思ったんだろう。というか先生も許してる時点でヤバい。
そういえば南月君も借り物競走に出るんだよね…

しばらくして放送委員の「借り物競走が始まります。緑色のバンドをつけている保護者様に…」という声が流れる。
一様この体育祭は保護者も来れるんだけど公立と全然違って保護者は富裕層ばかりだから立たせたままとかじゃなくて保護者用のちゃんとした席がある。やっぱりお金持ちって凄い…(感心するのそこじゃない気もするけど…)

今日、お母さんは普通に仕事で来ていない。私が北神家の次期当主になったからお金は貰ってるらしいけどお母さんは申し訳ないらしくていつも半分くらいのお金しか受け取らないみたい。
お母さんには楽に生活して欲しいのに…
でも体育祭かあ。小学校の運動会の時はお母さんとお父さんと3人でお弁当食べたっけ。
あの時は普通だったんだよね…
そんなことを考えているうちに準備はできていたみたいでピストルのパンッて音が耳に入ってきた。
あっ!南月君だ…
それもあってか他の競技よりすごい声援が聞こえてくる。
飄々とした様子で箱から紙を取り出して周りを見渡した。
どんなお題引いたんだろう…
ぼんやりそんなことを考えていると「青葉こっちに来てない?!」
えっ!本当だ!いつのまに!誰を探してるんだろう。
前の方の女子はさらに盛り上がっている。南月君やっぱりすごいな…すごいモテてる。なんかモヤモヤするな…
ダメダメ!私は南月君のことが好きだけど婚約者っていう権利で南月君を縛ったりするのは絶対にダメだ。
これまで考えたことなかったけど南月君って好きな人いるのかな?もしいるんだったら私ってどれだけ邪魔な存在なんだろう…
暗い気持ちになって下を向いていると私の目の前に影が落ちて上から「いた」という言葉が降ってきた。
「北神さん来て」
え?は?なんでえええっ??
さっきまでキャーキャー騒いでた女子たちが悲鳴を上げていてしまいには倒れ込んでいる子もいる。
「さっさと行くぞ」
あっけらかんとしている私の足は動かず前にいる南月君は「歩けねーの?じゃあ」何かを考えて私の足と背中に腕を回して私を軽々持ち上げた。
さらに私の頭の中はパニック状態。
これはいわゆるお姫様抱っこというやつだ。いやなに!?どういうこと!?
南月君は冷静にゴールに向かって行く。
「ちょっ、南月君これはなに!?」
「いや動かなかったから」
いや確かに動かなかった私も悪いけどだからってこんな体勢…公開処刑並みだよ!
どんどん私の顔は赤くなっていった。
「顔、真っ赤。そんなに恥ずかしい?」意地悪く笑って私に問いかけてきた。
「恥ずかしいよ!!」
そうすると「かわいーね」と小さい声で南月君はボソッと呟いた。
ーなんて言ったんだろう?ていうか、それより!
「お題なんなの?」
「お題?なんでしょーねー」
「教えてよ!」
こういう時にからかわないでよ!!
もし殺したい人とかだったらどうしよう…

その後無事にゴールして応援席に戻ったんだけど…
女子からの視線がこれまでと比べられないほど痛いよ!!!
周りの女子からは「なんで庶民育ちのあの子が南月様に軽々近づいてるわけ?」とか「もしかして付き合ってるのかな」「ないでしょ。婚約者でも付き合ってるわけじゃないでしょ。そもそもお題だって嫌いな人とかだよー」「確かに!教室でも南月様に図々しく付き纏ってた感あったもんねー。楓様だったらお似合いで諦めもついたのにあの子はマジでないよねー」
なんていう陰口が大連発。
庶民育ちで地味子でごめんなさいね!
でもやっぱり不釣り合いだな…
私はたまたま北神家の孫だった庶民で南月家の婚約者として育てられてきた楓ちゃんとは格が違う。
その後も陰口はおさまることはなく碧衣ちゃんは「気にしちゃダメだからね!麗より可愛い子なんていないんだから!」って励ましてくれた。碧衣ちゃんに「ありがとう」といってぎこちない笑顔を浮かべた。みんなに心配かけちゃってる。
そうだよ麗!みんなに心配かけちゃダメ!こんなんだと南月君にも迷惑かかっちゃう!平気でいないと!
心の中でモヤモヤを明るい気持ちで押し込んでリレーに向かった。

リレーの招集場所でも女子たちには睨まれ続けた。
もう!なんでそんなに睨むの!こういう時こそ思いっきり走っちゃうんだから!
私はそんな風にリレー選手がする赤いはちまきを頭に巻いて意気込んだ。
先生の誘導通りにコースに入って前に走っていた人からバトンを受け取って思いっきり走り出す。
至る所からすごい視線を感じる…
いやいや今はそんなことよりしっかり走らないと!
白組の隣の子に視線を向けて見ると結構差があって安心した。
多分それがいけなかったんだと思う。よそ見をしたせいで白組の子に差を詰められてあっという間に横に並んでしまった。
ヤバい!!これじゃ抜かされる!
そう思ってもっと勢いをつけようとしたら隣の子の足が前にのびてきてバランスを崩して転んだ。
ーもしかして足かけられた?
差が開いていくのに焦りを感じてすぐに立ち上がってまた走り始めた。
これじゃ無理かも。私のせいで…

「絶対追い抜く。大丈夫だから」

バトンを渡す時に南月君が私に囁いた。
『赤組、すごい速さです!どんどん白組と距離を縮めています!』
放送部の実況が言い終わる頃には南月君は白組を抜かして余裕で先にゴール。

今年の体育祭はリレーの成果もあり赤組が優勝を飾った。