あの日、君と見た桜色

活動が始まると、桜は料理係として驚くほどの腕前を発揮する。川澄くんや夏目くん、さやかちゃんたちも、桜が作る試作のうどんやスイーツに目を輝かせ、準備期間は笑い声が絶えないものになっていった。
​しかし、文化祭が目前に迫ったある日の放課後。
買い出しの途中で、桜は激しい眩暈(めまい)に襲われ、その場に蹲(うずくま)ってしまう。
​「……桜? 大丈夫か!?」
​駆け寄ったのは川澄くんだった。彼の大きな手が、震える桜の肩を支える。
本当は隠し通したかった。