はじめてをくれた君と、最後を選んだ君

「ね、今日ヒマですか」


「えーどうしよっかなー」


「じゃあ、俺が奪います」


「今日だけじゃなくて、ずっとでもいいっすけど」



冗談みたいに笑うくせに、目は全然笑ってない。



「またそれ?笑」


「他のやつに取られるの、普通に嫌なんで」




言葉が止まる。


軽くない。
全然、軽くない。



「なにそれ、おも〜」


「軽いの、好きじゃないんで」


少しだけ見下ろす視線。



逃げられない。



「行きましょ」


当たり前みたいに歩き出す背中。



「……ちょっとだけね」


小さく言って、隣に並ぶ。


「やった」


子供みたいに笑ったあと、

一瞬だけ、安心したみたいに目を細めた。