はじめてをくれた君と、最後を選んだ君

───昼休み


「乃々華ちゃん、今ヒマ?お昼行こうよ」


「ごめん、もう約束ある〜」


「じゃあ放課後ちょっとだけでも!」



周りはガヤガヤ。
気づいたら、いつものように男子たちに囲まれてる。


  (あー、今日も疲れるな)




そう思った、そのとき





「島崎」


 
人混みを割って入ってきたのは、あの先輩だった。


一瞬で周りが静かになる。


誰もが知るサッカー部のエースは、私の前で足を止める。



「さっき、全然近づけなかった」


「いつもあんな感じ?」


「まあ、」


「俺、ずっと気になってた。」


「 周りにいっぱい男いるのは知ってるけど、俺はその中の一人になりたくない」


先輩は、私の手首を少し強引に掴んで引き寄せた。







「俺が一番大事にする、付き合ってください」







 冗談じゃない。
 

 ちゃんと、射抜くような本気の目。


 『一番』その言葉に、


 空っぽだった心が少しだけ揺れる。










  「いいですよ」





 晃雅を忘れたいから。